盛岡地方裁判所 昭和29年(行)1号 判決
原告 岩田良寿
補助参加人 岩田与衛治
被告 国・岩手県知事
一、主 文
原告の請求はいずれもこれを棄却する。
訴訟費用は原告の負担とする。
二、事 実
原告は「被告知事が別紙目録記載の農地につき昭和二十三年一月三十一日附岩手(ニ)第二、三七六号買収令書をもつてなした買収処分の無効なることを確認する。被告国は原告に対し右農地(ただし、そのうち中内村大字石持第一地割百四十六番の一畑二反三畝十七歩を除く)につき昭和二十四年九月十六日受附第五七〇号をもつてなされた昭和二十二年十二月二日自作農創設特別措置法(以下自創法と略称する)第三条の規定による買収を原因とする所有権移転登記の抹消登記手続をなすべし。被告知事が右農地につき売渡の時期を昭和二十二年十二月二日とする売渡通知書をもつてなした売渡処分の無効なることを確認する。被告国は原告に対し右農地(ただし前記百四十六番の一畑二反三畝十七歩を除く)につき昭和二十四年一月二十八日、同二十五年一月二十八日及び同年三月三日各受付をもつてなされた昭和二十二年十二月二日自創法第十六条の規定による売渡を原因とする所有権移転登記の抹消登記手続をなすべし。訴訟費用は被告等の負担とする。」との判決を求め、その請求原因として
一、別紙目録記載の農地は原告が昭和十五年九月一日父である補助参加人(以下単に参加人と称する)及び兄岩田良貢(参加人の長男)の両名から分家財産として贈与引渡を受けた原告所有の土地であるが、当時は戦時中でありその後間もなく登記をなすには臨時農地等管理令による知事の許可を要したのでその手続をなさないまま原告において管理していたところ、終戦後農地法の実施のため右許可の必要に迫られたので昭和二十二年二月十一日参加人及び右岩田良貢と共に岩手県知事に右所有権移転の許可申請をなしたが許可にならなかつた。そこでやむなく同月二十四日花巻区裁判所十二鏑出張所において右贈与の証書に同日附の確定日附を受けた。
二、ところが中内村農地委員会は昭和二十二年八月二十四日右農地につきそれが登記簿上参加人等の所有名義であることを理由に参加人等の所有小作地であるとして旧自創法第三条第一項第二号により買収の時期を同年十二月二日とする買収計画を樹立し、同日その旨の公告をなし、同日より十日間書類を縦覧に供したので、同月三十日原告と参加人よりそれぞれ異議の申立をなしたが同年九月十五日参加人等の所有であることを理由にいずれも却下された。そこで更に同月二十二日岩手県農地委員会に対し原告と参加人及び右良貢よりそれぞれ訴願をなすと共に、原告は参加人及び右良貢を相手方とし花巻簡易裁判所に右贈与による所有権移転登記手続の請求訴訟を提起し昭和二十二年(ハ)第四号事件として審理を受けた結果勝訴の確定判決を得、これによつて昭和二十二年十月八日右登記手続を完了し右農地につき名実共に所有権者となつた。しかるに右県農地委員会は同年十二月二日いずれも同じ理由で右訴願を棄却し、次いで被告知事は所定の承認手続を経た右買収計画に基いて請求の趣旨第一項記載の買収令書を発行し、同二十三年三月二十日過これを参加人に交付しようとしたが参加人においてその受領を拒絶したので、同二十四年三月三十日附岩手県報告示第一七三号をもつて右交付に代わる公告をなし、右農地の買収処分を行つた。
三、しかしながら右買収処分は次の理由により無効である。前述のごとく右農地は右買収計画時において原告の所有であつたのであり、しかもこの事実は今日においては既に確定判決によつて是認され、その既判力によつて争うことのできないものとなつている。すなわち前記花巻簡易裁判所の確定判決は前記贈与の事実のあつたことを理由としたものであるし、また参加人が前記贈与の担保責任者として岩手県知事を相手方とし昭和二十三年五月三十一日盛岡地方裁判所に右買収処分の違法取消を求める訴を提起したところ同裁判所昭和二十三年(行)第七二号では同二十六年十月十五日右農地については原告良寿の所有として登記が完了しているから参加人は右買収処分により権利又は法律上の利益を侵害されたものではなく、原告たる適格がないとの理由で請求棄却の判決があつた。そこでこれに対し参加人与衛治より仙台高等裁判所に控訴を提起すると共に原告良寿より当事者参加の申立をなしたところ、控訴審(昭和二十六年(ネ)第三一二・三一四号)では昭和二十七年十月二十七日参加人与衛治に対しては出訴期間徒過の理由で、原告良寿に対しては所有者として右農地の権利を害されたと主張するのであれば自ら独立して該処分の取消を求めるべきで参加申立をなす適格がないとの理由でいずれも不適法なものとして訴却下並びに参加申立却下の判決があり、これに対し参加人与衛治より上告したが同二十九年四月三十日上告棄却となつたので右控訴判決は同日確定を見たのである。右買収計画は、このなに人も争うことのできない事実を無視し或いは結果においてこれに反し右農地を参加人の所有小作地であるとしてなしたのであるからその点で重大明白な瑕疵があり法律上当然無効であることもちろんであり、従つてまたこれに基いた右買収処分も法律上当然無効である。
なお前述のとおり右農地は前記買収計画時において登記簿上原告の所有名義ではなかつたにしても実質上は原告の所有であり、旧自創法による農地等の買収には民法第百七十七条の規定は適用すべきものではなく買収機関は登記の欠缺を主張し得ないものであるから、買収手続における真の所有者の誤認は登記の有無に関係なく直ちに重大な瑕疵をもたらすものというべきである。のみならず前述のごとく右農地については前記買収処分以前において原告名義に所有権移転登記がなされたのであるから、該農地は右処分当時は名実共に原告の所有であることが明らかだつたのである。
四、しかして被告知事は右買収処分に基き右農地(ただし前記百四十六番の一畑二反三畝十七歩を除く)につき被告国に対し請求の趣旨第二項掲記の登記手続をもつて所有権移転の登記手続を了した。しかし右買収処分が無効である以上その有効を前提とする右所有権移転登記もまた無効である。
五、更に被告知事は前記買収処分に基き右農地につき売渡の時期を昭和二十二年十二月二日とする売渡通知書をもつて自創法第十六条による売渡処分を行い、次いで右売渡処分に基き右農地(ただし前記百四十六番の一畑二反三畝十七歩を除く)につき請求の趣旨第四項掲記のとおりの所有権移転の登記手続をなした。しかし前提をなす右買収処分が無効である以上右売渡処分も当然無効であるし、右売渡処分が無効である以上これを前提とする右所有権移転登記もまた無効のものというべきである。以上の次第で被告知事に対しては前記買収処分の無効確認を、被告国に対しては前記買収処分及び売渡処分の無効確認並びにこれを前提とする各所有権移転登記の抹消登記手続をなすべきことを求めるため本訴に及ぶと陳述した。(立証省略)
被告訴訟代理人は「原告の請求を棄却する。訴訟費用は原告の負担とする。」との判決を求め、答弁として、原告主張一の事実につき、参加人が原告の父であり、岩田良貢が参加人の長男であることは認めるが、参加人等が原告に対し原告主張の農地を贈与したことは否認する。右農地は参加人等の所有である。同二の事実につき、右農地に関する買収計画の関係、それに対する異議、訴願の関係、右買収計画に基ずく買収令書の発行とこれを交付しようとし、交付に代る公告をしたことが原告主張のとおりであること並びに原告がその主張のような訴訟で勝訴判決を得、それによりその主張の日右農地につき所有権移転登記手続を了したことは認めるが、原告が右登記により名実共に右農地の所有権者となつたことは否認する。原告が右勝訴判決により右所有権移転登記を了した経緯は、もともと右農地は参加人及び前記良貢の所有であつたが、終戦後農地改革の頃となつて参加人等がその買収を免れる目的で原告と通謀し、参加人等より原告に対し右農地を贈与する旨の贈与契約書を作成のうえ、更にいわゆる馴合訴訟により原告勝訴の判決を得、これによつて右登記をなし、もつて右目的を達しようとしたのである。参加人等が買収令書を一旦受領しながらその後返戻して来たので念のため交付に代る公告手続をなしたにすぎない。
同三の前段事実につき、前記花巻簡易裁判所の確定判決の理由が原告主張のとおりであること、右農地につき参加人与衛治より原告主張のような行政訴訟が提起され、原告主張のとおりの理由で請求棄却の判決があり、参加人与衛治より控訴すると共に原告良寿より当事者参加を申し立てた結果、原告主張のとおりの理由で訴並びに申立却下の判決があり、更に参加人与衛治より上告した結果、原告主張の日上告棄却となり右控訴判決が確定したことは認めるが、その余の点は否認する。前述のところより明らかな如く前記贈与は通謀虚偽表示によるもので無効であり、従つて前記買収計画当時において右農地は実質上もまた登記簿上も明らかに参加人等の所有であつたのであるから、その後馴合訴訟によつて前記昭和十五年九月一日の贈与の事実を理由とする判決があつたとしても、該訴訟の当事者となんら関係のない買収機関が右判決に拘束されるいわれはなく、また右行政訴訟の控訴判決においても前記のとおり本案につき全く判断がなされておらず、従つて前記買収計画当時における右農地の所有者が原告良寿であるか、参加人与衛治等であるかについては確定されてはおらないのであるから、買収機関は右農地の所有者の点につき前記控訴判決によつてもなんら拘束されるいわれはない。以上の次第で買収機関は独自の立場で右農地の真実の所有者を参加人等と認定して該農地を買収したのであつてそこに原告主張のような瑕疵はない。
同三の後段事実につき、右農地が前記買収計画時において登記簿上原告の所有名義でなかつたこと及び右農地につき前記買収処分以前において原告名義に所有権移転登記がなされたことは認めるが、その余の点は否認する。かりに右農地が前記贈与により原告の所有となつていたとしても、登記簿上は参加人等の所有として登載されていたのであり買収機関は右登記簿上の登載等を信頼して右買収計画を立てたのであるから、右農地の所有者を参加人等と見誤つたことだけでは該買収計画が当然無効となるものではないし、従つてこれに基いた前記買収処分が当然無効となるものではない。
同四の事実につき、被告知事が右買収処分に基き原告主張の農地につきその主張のとおりの所有権移転登記手続を了したことは認めるが、その余の点は否認する。右買収処分が有効である限り右所有権移転登記が無効となるいわれがない。
同五の事実につき、被告知事が前記買収処分に基き原告主張の日その主張の農地につきその主張のとおりの売渡処分を行つたこと及び右売渡処分に基き原告主張農地につきその主張のとおりの所有権移転の登記手続をなしたことは認めるが、その余の点は否認する。右買収処分が有効であるかぎり右売渡処分、従つてまた右所有権移転登記が無効となるいわれがない。
以上の次第で原告の請求は失当であると陳述した。(立証省略)
三、理 由
訴外中内村農地委員会が昭和二十二年八月二十四日別紙目録記載の農地につきそれが参加人等の所有小作地であるとして自創法第三条第一項第二号による買収計画を樹立し、同日その旨の公告をなし、同日より十日間書類を縦覧に供したこと、これに対し同月三十日原告と参加人よりそれぞれ異議の申立をなしたが同年九月十五日いずれも却下され、更に同月二十二日岩手県農地委員会に対し原告と参加人及び岩田良貢よりそれぞれ訴願をなしたが、これまた同年十二月二日棄却されたこと、一方被告知事が所定の承認手続を経た右買収計画に基いて昭和二十三年一月三十一日附岩手(ニ)第二、三七六号買収令書を発行し、同二十三年三月二十日過これを参加人に交付しようとしたこと、同二十四年三月三十日附岩手県報告示第一七三号をもつて右交付に代わる公告をなし、右農地の買収処分を行い、次いで該買収処分に基いて被告国に対し右農地(ただしそのうち中内村大字石持第一地割百四十六番の一畑二反三畝十七歩を除く)につき昭和二十四年九月十六日受附第五七〇号をもつて原告主張のとおりの所有権移転登記手続を了したこと及び被告知事が右農地につき売渡の時期を昭和二十二年十二月二日とする売渡通知書をもつて自創法第十六条による売渡処分を行い、次いで右売渡処分に基いて右農地(ただし前記百四十六番の一畑二反三畝十七歩を除く)につき原告主張のとおりの所有権移転登記手続をなしたことは当事者間に争がない。
そこで先ず順序として原告が本件買収処分の無効理由として挙げる点から判断を進める。
参加人が原告の父であり、右良貢が参加人の長男であること、原告が昭和二十二年右農地につき参加人及び右良貢を相手方として花巻簡易裁判所に所有権移転登記手続の請求訴訟を提起し、昭和十五年九月一日原告と参加人等との間に原告を受贈者とする右農地の贈与契約があつたことを理由とする原告勝訴の判決を得、これによつて同年十月八日本件農地につき右贈与による所有権移転登記手続を了したことは当事者間に争がなく、この事実と花巻区裁判所十二鏑出張所の作成部分の成立に争がないのでその全部の成立を認めるべき甲第一号証の記載に徴するならばこれらの資料を覆すに足る強い反証の認められない本件においては原告と参加人及び右良貢との間に昭和十五年九月一日右農地について原告を受贈者とする贈与契約があつたものと認める外はない。しかして右贈与当時は未だ農地の所有権等の移動につき統制の行われていなかつた頃(臨時農地等管理令は昭和十六年二月一日公布即日施行にかかる)であるから特段の事情のない限り右農地の所有権は右贈与の時において原告に移つたものと解すべきである。それなら右農地は本件買収計画当時はもちろん原告の所有であつたのであるから、前記のごとくこれを参加人等の所有小作地であると見誤つた本件買収計画は結局被買収者を誤つたものでその点において重大な瑕疵があり、従つてまたこれを踏襲した本件買収処分も同様重大な瑕疵がありいずれも取り消されて然るべきものであろう。
しかしながら右のように被買収者を誤つた瑕疵が買収手続の無効を招来するやは右瑕疵が手続上明白であつたかどうかにかかると解すべきであるから、更に進んでその点を検討することとする。
原告はこの点について原告が本件買収計画当時において既に本件農地の所有者であつたことはその主張の花巻簡易裁判所及び仙台高等裁判所の各確定判決の既判力によつて確定され、なに人もこれを争うことができなくなつたものであると主張し、右各確定判決が原告主張の頃あつたこと及びその各理由がそれぞれ原告主張のとおりであることは当事者間に争がないけれども、既判力の物的限界は原則として判決主文に表現された判断事項に限られるものであり、また人的限界は原則として請求の対立当事者間の関係に限られるものであるから右花巻簡易裁判所の確定判決は既判力の右物的人的限界からして本件買収手続を拘束するものではなく問題にならないし、右仙台高等裁判所の確定判決は前示のとおり参加人(該判決の控訴人)に対しては出訴期間の徒過を理由とする訴却下の訴訟判決であり、原告(該判決の当事者参加人)に対してはその主張自体より独立して参加申立をなす適格がないことを理由とする参加申立却下の訴訟判決であり、いずれも本件農地の権利関係については判断しておらないのである。すなわち原告の右主張は採用に値しない。
次に本件買収計画時において本件農地の登記簿上の所有名義が参加人等であつたことは当事者間に争がなく、その方式及び趣旨よりして真正に成立したものと推定すべき乙第一号証及び第五号証、本人または代理人の捺印があるので真正に成立したものと推定すべき同第二号証の一ないし六及び第三号証の三、成立に争のない同第三号証の二及び第六号証ないし第十号証並びに右同第十号証の記載により成立を認めるべき同第四号証を併せ考えると、本件農地の昭和二十二年七月二日現在における名寄帳の地主名義が参加人或いは前記良貢になつていること、本件農地の小作人等に対しては前示贈与の事実の通知がなく、従つて同小作人等が本件買収計画当時地主を参加人であると思い込んでいたこと、本件買収計画前後における本件農地の小作料が参加人名義で受納されており、また原告が受領することがあつても参加人の代理人の資格であつたこと、本件買収計画の頃右良貢より居部落担当農地委員に対し参加人の保有希望農地として本件農地の一部(大字中内第五地割二十二番、同大字第二地割八十番及び大字浮田第四地割二十八番の各田と大字石持第一地割百四十六番の一の畑)を申し出ていること及び本件買収に対する異議申立の際に参加人がはじめて前示甲第一号証を前記村農地委員に呈示して前示昭和十五年九月一日の贈与の事実を訴えたので同委員会において慎重に調査したが、上述のような事情であるので右贈与の事実を信用しなかつたことを認めることができ、この認定を左右するような証拠がない。以上認定の事情より推論するならば本件買収計画時における本件農地の帰属関係については当時登記簿上参加人等にあつた所有名義を打ち消す事情よりもむしろこれを裏書する事情の方が有力であつたのであるから、買収機関において本件農地の所有者が原告である事実が判然していたはずはなく、従つて先に認定した所有者(被買収者)誤認の瑕疵が当時買収手続上明白であつたとはとおてえ言えないところである。しかしてその後の事情について見ても前述のとおり本件買収計画時後において前示花巻簡易裁判所の判決があり、該判決によつて本件農地につき原告名義に所有権移転登記があつたのであるが、右判決が本件買収機関を拘束するものでないことは前説明のとおりであり、また右登記がなされたとて該登記により通常の場合においては本件農地の所有者が原告であることの一応推定を受けるようになるのではあるが、買収機関は依然独自の立場で右所有者を判断することができるわけである。ところで成立に争のない甲第四号証の一及び二によれば買収機関は本件買収計画に対する原告及び参加人等の前示贈与を理由とする異議の申立並びに訴願に対しても調査審議のうえ前示認定の事情に徴し右贈与の事実は認められないとしてこれを排斥していることが認められ、この態度は前示認定の事情から見て必しも納得のできないものではない。かように考えるならばその後の買収手続においても右贈与の事実従つて本件農地の所有者が原告である事実は買収機関に判然しなかつたもの、換言すれば前示認定の所有者(被買収者)誤認の瑕疵は明白でなかつたというべきである。それなら結局本件買収計画には前記のとおり被買収者誤認の重大な瑕疵があるけれども、この瑕疵は未だもつて買収手続上明白であつたとは言い得ないから、この点において該買収計画の無効の原因となるものではなく、従つてまた右買収計画に基いた本件買収処分も法律上当然無効となるものではないといわなければならない。
果して以上のとおりであるとするなら本件買収処分にはその無効の原因となるべき瑕疵がないことが明らかとなつたから、被告知事に対しその無効確認を求めると共に、被告国に対し、その無効を前提として本件買収を原因とする前示所有権移転登記の抹消登記手続を求め、また本件買収処分及び売渡処分の無効確認を求める原告の本訴請求はいずれも失当であり、また被告国に対し売渡処分の無効を前提として本件売渡を原因とする前示所有権移転登記の抹消登記手続を求める原告の本訴請求も被告国がその登記名義人でなくその義務がないのみならず前提理由を欠き失当であるからいずれもこれを棄却すべきものである。
よつて訴訟費用の負担につき民事訴訟法第八十九条を適用し、主文のとおり判決する。
(裁判官 村上武 上野正秋 佐藤幸太郎)
(目録省略)